№108【映画】 細田守『サマーウォーズ』
監督:細田守
脚本:奥寺佐渡子
声の出演:神木隆之介、桜庭ななみ、谷村美月、富士純子 他
2009年日本 114分
公式:http://s-wars.jp/index.html
高校二年の小磯健二は、憧れの先輩・夏希に、90歳になる彼女の祖母の誕生日祝いの手伝いを頼まれ、長野にある彼女の田舎へと向かうことに。
そこで健二を待っていたのは、戦国武将を先祖に持つ夏希の親戚たちだった。
慣れない環境に困惑する健二。
夏希の思惑とは。
そして世界は、
滅亡の危機を迎えようとしていた。
これは面白い!
久しぶりに“完璧に面白い映画”を観たなっ!
この“完璧~”な感じを味わうのは、『Mr.インクレディブル』以来なんじゃないか!?
…と思って、当時自分が書いた『Mr.インクレディブル』のレビューを見ると、
「完璧なまでに面白い!」
なんてフレーズが書いてあり、感性とボギャブラリーになんの進歩もない自分に驚く。。w
ちなみに、『Mr.インクレディブル』以降の私のレビューに、このフレーズが全く登場していないかと聞かれれば、確認してないから知らないw
“完璧に面白い映画”とは、全く個人的な感想であり、なにをもって“完璧”なのかと聞かれても上手く答えられないけど、端的に言えば、映画を観終わった直後に「100点満点で点数をつけてください」といわれたときに、それ以上の点数をつけたくなる感じw
作品に没頭しすぎて感情の沸点が下がり、製作者の思惑通りに喜怒哀楽のあらゆる方向に振り回される気持ちよさに浸れる感じ…と表現すれば、若干なりとも共感してもらえたりするのかな?
大家族がメインに描かれる作品だから、当然登場人物も多く、ある程度は混乱しても良さそうな筈なのに、その書き分けが丁寧に行われていて混乱が生じないのは見事だし、各人の個性を理解するのに十分な情報は、全て台詞や演出でカバー出来ているので、無駄な説明に時間を取られる事もなくテンポ良く話が進むのも素晴らしい。その上、それぞれの登場人物に相応の見せ場まで用意されいるんだから、まさに至れり尽くせり。
現実と仮想現実の二つの世界が登場する今作にあって、現実世界の繋がりを大家族で表現し、ネットワークでの繋がりと対比させてみせた事は、まさにアイデアの勝利だったと思う。
ネットワークでの人の繋がりは現実と比べて希薄で、それをもって安易に「悪」だと決め打ちする作品が多い中、そのどちらをも肯定し成立させたのも驚かされる。さらに、新しい技術が浸透しつつも、その捉え方に世代的な差が生まれている事を表現するアイテムとしても、大家族というテーマは優れていたように思えた。
それらが出来ているだけでも十分に素晴らしいのに、物語の展開にも全く無駄がなく、散りばめられた伏線は見事に回収され、クライマックスを迎えて以降も続く緊張の連続に息切れしそうにさえなる。
現実の世界と仮想現実の世界。そして、物語には全く関係のない「テレビの向こうのもう一つの戦い」にまで思わず注目してしまうのだから、その脚本の出来たるや、恐るべしであるw
ジャンル分けをすれば、「SFアニメ」に入れられてしまうであろう今作ではあるけれど、そこで描かれる“日本の家族の風景”は非常に丁寧に作られており、多くの人から共感と羨望をもって迎えられるんじゃないかと思う。
この作品が、「アニメ史に残る傑作」であることは間違いないとして、アニメとか実写とかSFとかなんていう枠を取っ払ったレベルで、「映画史に残る傑作」として、正しく評価されることを願う。



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